浩子の部屋

シャキシャキ

バレエのレッスンに出かけようとしたところに、電話がありました。
お相手は、30数年前からお付き合いがあり、当院患者様である芦屋のご婦人。
「奥さん、今日ずっと居られる?お渡ししたいものがあるのよ。」
「今から、梅田に出るんですが、3時頃なら・・・」
「私も、大阪に用事があって、それからそちらに行こうと思っていたの。」
「じゃあ、3時に梅田で待ち合わせしましょう!」
ということで、久しぶりにお会いすることになりました。


主人の亡父友人の奥さんで、ずっと芦屋に住んでおられる文字通りの「芦屋婦人」。
若いころから、外車に乗り、ゴルフもされ、おしゃれで、社交家で、いつも元気に走り回っておられるというタイプの方です。今では、お孫さんが6人もおられて、そのうち3人が成人されているという「シャキシャキ」のおばさん。
皆さん、お幾つだと想像されるでしょうか?
見た目の肌年齢は60歳代。私もお付き合いが長いので、70歳代だとは思っていたのですが、実は81歳になられていました。私自身もビックリ!!
お世辞でも何でもなく、81歳にはとても見えません。肌のはりがツヤツヤです。
もちろん、お化粧も綺麗にされているのですが、話し方や気遣いの仕方が、「老人」ではなく、50〜60歳くらいの感じなんです。
エレベーターに乗る時も、私が「どうぞ!」というのが普通なのに、反対に「どうぞ」って、私を優先してくださるし、「荷物大丈夫?お持ちしましょうか?」と、言ってくださるんです。「いえ、とんでもありません。」というのが、精一杯。(私の出る幕ありません)
今日も、コーヒーを飲みながら、お話を伺っていました。
たくさんのお話の中で、とても印象に残ったことがあるので、自分のためにも書き記しておきます。
ご自身の3人のお子様に、2人ずつのお孫様がおられますが、亡きご主人が、
「孫には、必ず平等に公平にものを与えなさい。できれば、目の前に集めて、全員に公平であることを確認させておく方がもっといい。」
と、おっしゃっていたそうです。
実は、3人のお子さんにも、何かを分け与える時には、常に平等を心がけて育ててこられたようです。今でも、クリスマスプレゼントは、娘さんもお嫁さんも同じものを買って差し上げる。だから、お嫁さんとも上手くいっているし、娘より嫁の方が話し易いということでした。
「凄いですね。家族の皆さんにいろんなお気遣いをされているんですね〜」
「そうよ。いっぱいしてあげるの。だから、みんな良くしてくれますよ。」
素晴らしいですね。身内に、分け隔ては禁物ですね。どの人も大切な家族なんですから。
その気持ちを形に表すことが、もっと大切なんですね。
シャキシャキのおばさんは、周りの気遣いだけでなく、自分がボケて迷惑をかけないように、宝塚の脳神経外科医院で、半年に1回の健康診断を欠かさず受けておられます。
亡きご主人が、生前に、その医院の先生に、
「ウチの大切な・大事な奥さんだから、いつまでもボケずに元気でいられるように、ずっとよく診てやってください。」
と、お願いされていたとか・・・愛妻家なんですね。(ごちそうさま)
健診では、一つぐらい悪いところがあってもおかしくない年齢なのに、一つとして悪いところが見当たらないと、お医者様が首をかしげるほど・・・なんだそうです。
「でも、ただひとつだけ、心配なことがあるんだけど・・・」
と、もったいを付けて話すお医者様。
「えっ、いったい、何ですか?どこが悪いんですか?」
と、驚く芦屋婦人。
「貴女が、ひとりで車を運転して、ここまでやって来るその道中が・・・心配なんだ。」
(なぁ〜んだ。)
芦屋婦人というのは、ほんとに「シャキシャキ」ですね。(感心!!)
このご婦人に紹介いただいたもう1人の芦屋婦人(76歳)も、ジーンズを着られるし、ゴルフもされるし、黒のベンツのオープンカーを乗り回しておられるし、見た目は年齢不詳?! 常に、体を大切にされ、健康に気遣われておられます
シャキシャキどころか、チャキチャキですね。
楽しいお話のあと、診療所に帰ってきたら、ダンボールにいっぱいのカブラと丸大根が置いてありました。私の親戚のおじさんが持って来てくれたようです。土つきの瑞々しいぷりぷりのお野菜です。葉っぱが青々していて、それこそ「シャキシャキ」です。
保存状態が良ければ、いつまでも芦屋婦人のように鮮度が保てる???
私も、新聞にくるんで水をかけ、冷蔵庫に保管しておいたら・・・芦屋婦人になれるかも??
(あっ、違ってました?)
そうそう、診療所にも居ました!!
今日の患者さんが、帰り際におっしゃっていました。
「手際がいいというか、あっという間に歯の型を採ってもらって、びっくりしますね。
ほんま、これぞ『必殺仕事人』ですね。」
必殺仕事人さん、いつまでも「シャキシャキ」でお願いしますね!!

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