浩子の部屋

室内環境と皮膚

大阪国際会議場にて、日本臨床皮膚科医会総会・臨床学術大会が行われており、会頭である笹川征雄先生(笹川皮フ科)のお誘いで、会頭企画セッション1「室内環境と皮膚」と題された講演を聴講させていただきました。全国の皮膚科医師が集まっておられ、大きな規模の企画にびっくり致しました。
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<室内環境と皮膚>
近年の高気密住宅において、シックビルorシックハウス症候群の患者さんが激増してきています。ホルムアルデヒドに関しては、建築・建材メーカーも基準値を設けて、減らすように気をつけておられるようですが、まだその他の、塗料や接着剤に含まれているトルエンやキシレン、家具やパソコン等の家電製品から出る未知数VOC(揮発性有機化合物)に囲まれている環境です。24時間換気設備をうたっていますが、高気密な故に、換気しないと住めない住宅環境であるということです。
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こういう住環境においては、その原因物質を取り除くことも大切ですが、常に換気をして住むということが大切です。皮膚科医師も、様々な患者のデータを集めて、建築に携わる方々との連携をしていく必要があると思っています。福島原発の放射性物質を避ける為に、換気装置を閉ざして生活していると、例えば数百キロ離れた地点の方は、逆にシックハウスの危険にさらされます。
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皮膚科の先生も、患者さんの症状だけを診るのではなく、どうしてそうなったかの因果関係も含めて視野に入れられ、症状の改善を考えていかれるのは、ほんとに大変なことだと感じました。未知数VOCも、120種類くらいまで調べておられる先生もあるようですが、まだまだ増え続けているのが現状で、追求できたところで、その対策方法や療法を確立していくのは至難の業であることでしょう。
そうかと言って、昔のような換気のいい木造家屋に住むと、高齢者にとっては寒さに耐え難く、別の病気で亡くなる危険度が高くなったりします。どちらがいいのかは、それぞれ自身の考え方で、天秤にかけるしかありません。何事も「一長一短」で、それぞれの利点や欠点を深く理解したうえで、住環境をより良いものに変えていかなければいけませんね。
家の中に、自然光が入り、季節の風を感じることのできるような、いわゆる「風水調整」ができる住環境つくりの大切さを、ここでも学ばせていただきました。そして、パソコン環境が、いかに身体に悪影響を及ぼしているかも知ることになりました。福島原発の放射能汚染も、数10年経たないとその影響の怖さも明確にされません。携帯電話も同じことです。みんながやっているから大丈夫、みんながやるからやらないといけない(例えば、新型インフルエンザ流行時のマスク)・・・みたいな「横に倣え」する日本人的発想は、とても危険であると思います。
今の若い世代の人達に、私が日頃よくいう言葉があります。
「まんじゅうの皮だけを見て、中身があんこだと思うなかれ!!」
中身は、ワサビやカラシかもしれないし、毒入りかもしれないし、はたまた、何にも入っていないかもしれないし・・・
自分でしっかり学んで、自分で試して、何が正しいのか、何が自分に必要なのかを、自分の頭で考えて行動を起こすようにしてもらいたいと願っています。
行動環境と室内環境は 心身の健康に そのまま反映する・・・
シックハート 引き起こすのは シックハウス?

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