浩子の部屋

事業所歯科検診

「あの〜、○×株式会社と申します。大阪営業所の事業所検診をお願いしたいのですが、院長先生はおられますでしょうか?」
と、3月に東京本社の総務の方から電話がありました。院長が受話器を取って応対しています。全部で10人程度で、1人の検診料金いくらとかを話していました。
「普通は1人2〜3千円くらいですが・・・えっ?!500円ですか?」


横で聞いていて、「500円はないなあ」・・・ちょっとひどい話だなと思って耳を澄ませていました。すると・・・
「わかりました。じゃあ、今回限りということで、1人500円で受けましょう。」
という院長の返事でした。日時は、4月6日(火)の午前11時からということになっていました。でも、わざわざ診療時間を割いて行くのだから、そんなに安くして引き受けなくてもいいのに・・・というのが私の感想でした。
とりあえず、4月6日に検診のアポイントを入れて診療時間を空けていました。ところが、4月2日になって、東京の総務の女性から電話が入り、
「6日に大きな仕事が入ったので、社員がほとんど社内にいない状態になりますので、日時を変更していただきたいのですが・・・」
と、軽く「予約の変更」みたいに言われてビックリです。ほんとに申し訳ないという気持ちすら伝わってきません。
「もう、その時間に患者さんの予約を入れずにお空けしておりましたので、急におっしゃられても、ちょっと無理な状況です。また、次回もキャンセルされても困りますし・・・」
「そうですね。それじゃあ、社員が貴院に検診に行かせてもらうということならばいいでしょうか?」
「ええ、来ていただけるのでしたら、診療時間中ならば、いつでも結構ですよ。ただし、期間を4月いっぱいとか、限定していただいて・・・」
「そうですね。じゃあ、そういうことで、1人500円でよろしいですね。」
東京の人って、ほんとに事務的で高圧的、上から目線。大阪では、こんな商売はありえないような口調。ほんまに大丈夫な会社なのだろうか?・・・と不安になるくらいです。受けたからには、キチンとするのがこちらのスジというものですから、値段云々ではありません。ところが・・・数日後また、東京の総務から電話がありました。
「先日、行かせてもらうと言っていたのですが、行くとなると社員があまり受診しないので、やはり来ていただくことはできませんでしょうか?12日にお願いしたいのですが・・・」
またしても、変更ですか・・・呆れてものが言えない・・・というのが私の本心です。
「また、変更ということは絶対にありませんね。それでしたら、お昼休憩の時間だったら行かせてもらいますけど・・・」
院長にその旨伝えると、院長もちょっとお怒り・・・です。
「もう、断っとけ!!そんな簡単に行けるもんじゃないぞ。予約も入っているし・・・」
「まあ、それじゃあ、理絵先生に行ってもらったら、どうですか?」
ということで、話が決まりました。
今日の12時の検診に向けて、理絵先生と米山衛生士が向かいました。一応10人程度と聞いていたので、その分の器具と消毒液とタオルと検診用紙等を準備していきました。私は、カメラマンということで付いて行きました。このビルもめったに入ることがないので、ものめずらしくて・・・。入口に会社名の文字が見えます。置いてある電話で到着を告げると、中から応対の女性が出てこられました。
通された部屋は、会議室のような部屋です。隣りには、ノートパソコンが20台くらいおかれたセミナールームもありました。
喫煙コーナーも、眺めのいいところです。準備している間、掲示ポスターを眺めます。一体何をしている会社なんでしょうか?!
12時になったら、社員の方が来られました。早速に検診開始です。理絵先生も手際よく、検診します。あんまり歯の悪い方はおられないようです。軽度の虫歯、もしくは少し歯石が付いている程度。歯科文化的?には、優秀な方が多いようです。
検診を終えて、喫煙コーナーに来られた、気さくそうな若い男性に、声をかけてみました。
「お休みのところ、すみません。あの〜、ここの会社は、一体何をなさっておられる会社ですか?ポスター見ても理解できないんですが・・・」
「ええ、あやしい会社です。ほんまのとこ。(笑)」
「はぁ〜〜?!そうですか。それで・・・」
「いえ、はっきり言うとソフトの会社なんです。そこにあるポスターみたいに、今流行りのスピード水着あるでしょ?あれの素材や機能性などの分析や解析をするソフトを開発して売っているんです。例えば、この煙草の煙の動き方を分析・・・みたいにね。」
「はぁ〜、そういうことですか。東京が本社なんですね。」
「そうです。ここは営業所なので人数少ないんですが、東京にはたくさんいます。もともと、外資系の会社なんで、ちょっと内容がわかりにくい感じですね。」
その男性は、実はウチの患者さんでした。その方のご紹介で、当院にお声がかかったようです。東京人と大阪人のニュアンスの違いを、同じように感じておられました。東京は、ちょっと高慢チックで、冷たい感じがしますね・・・と。大阪は、やはり、義理人情に厚いところです。人間臭さが大好きな人が多いところです。アメリカの外資系ということで、アメリカナイズされたサバサバ感覚、独立心旺盛、能力あるものだけが残る・・・みたいなところが見えました。ただ、大阪営業所の方は、大阪人の人情篤さを感じましたが、社内の体制自体が、ちょっとアメリカ系?です。
「あれっ?今日お茶も出なかったよね。」
と、帰って来てから、理絵先生。そう言われて初めて気が付きました。普通は、「お疲れ様でした」の言葉と共に、お茶は出てきますよね。ご互いに労をねぎらう気持ちは、日本人としては当たり前ですもの・・・
検診が終わっても、お茶のひとつも出ない、名刺を渡したのに受付の方すら名刺をいただけない、所長と名乗る方の挨拶も無し・・・という、ごく一般の日本の会社では「あり得ない」状況。私にとっては、淡々と金銭だけで物事を割り切るという、ある意味「あやしい会社」そのものでした。
ただ、大阪営業所の方は皆さん心根はいい方ばかり。特に、当院を紹介してくださった明るい感じの若い男性は、大阪ジョークの通じる、また人情味溢れる真面目な優しい方だったのが、ほんとに「救い」でした。(ほっ)
歯科検診 しっかり診るのは 歯ート(心)かな?
<追伸>
検診のあと、東京本社に連絡しました。すると、請求書と振込先をしっかり書いて、郵送するようにとのこと。FAXでは、会計が支払いできないからとか。言っておられることはわかりますが、何故、大阪営業所でそのように伝えていただけなかったのか・・・と疑問です。すべてが、東京本社が牛耳っているということなのでしょうね。
院長曰く・・・
「振込料をきちんと差し引いて、振り込んでくるのとちゃうか?」
ほんまにそうなりかねないかも・・・ですね。(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright©2024. Egami Hiroko All rights Reserved.