浩子の部屋

ワンデートリートメント

レセプト(保険請求)コンピューター会社の方からのお誘いで、新しい歯科医療機器による歯科経営講習に行ってきました。
院長にも、是非見てもらいたいと思い、2人で受講してきました。
ドイツの会社の医療機器を製造販売している「シロナ」という会社の、光学印象採得と自動切削機器の「セレック」を導入している、福岡市の先生と東京都世田谷区の歯科事務長先生のセミナーでした。


「セレック」は、世界で2万人以上のユーザーがあり、日本には約550台あります。
当初の開発商品から改良を加えて、現在は性能や精度も向上し、レベルアップしているということでした。
まず、小型の3Dカメラで、歯を削ったところを写真で撮るように、しかも、深さは赤外線で測れるように、真上から形を読み取ります。(直接光学印象採得)
そして、専用PCにて3次元的に画像処理をして、先生が細かな修正を加えて形を整えます。その後、ハイブリットというサイコロのような歯の色をしたブロック(色は各色あります)を、ロボットのような自動切削器で、削っていきます。
素晴らしいのは、その機器が非常にコンパクトであり、チャアーサイドに置くことが出来、患者様にも、その切削の様子をつぶさに見ていただける、もしくは、眺めてもらえるということです。白い冠1個を約15分で削ってしまいます。凄いですね!!
一般の技工のように、材料を盛り足すのではなく、ひとつの石を彫刻のように削りこんで、形を作り上げるのです。しかも、お口の中で型を撮ったりしなくても、3Dカメラで型が採れて、即時に出来上がるという、時間と労力とコストとゴミを削減できる画期的な機器です。金属を使わないので(メタルフリー)体にも優しいし、審美的にも歯の色に合わせられるという利点も加わります。
さらに、患者様をお待たせせず、とてもタイムリーな状態で装着できる・・・仮歯の必要もなく、1日で治療が終わってしまうという「One day treatment」が可能です。
ほんとに、ここまでできるのかと思うほどです。技工士さんは要らない(?)んですね。
院長ひとりで、できてしまうんですから・・・
ただ、出来上がった冠やインレーの表面は磨かないといけないのですが、これは技工士さんでなくても、院長や衛生士でもできることです。
器械化するというのは、ここまで来ているのだと感心しました。
私達を長年支えてくださっている技工士さん。
やはり、いつの時代でも、どんなものでも、手造りの良さや素晴らしさは評価されます。しかし、新米技工士さんが作るようなものは、器械がやってしまう時代になってきました。
もっと精度の高い、緻密な、透明性のある完璧な仕上がりを求めるならば、熟練の技工士さんに勝るものはありません。この器械も、前歯のように、審美面を重要視するところは、まだ少し無理があるようです。何事も一長一短ですね。
ただ、「歯科の有り様」が、根底から変わってくる気がします。
午後のセミナーは、18年歯科医院の事務長として活躍され、医院の活性化に貢献されている方のお話でした。
「歯も格好良く、白く」という時代。
皆さんが、「より美しく、より健康にありたい」と願う時代。
その時代の移り変わりに対応できる医院づくりをするための、裏方やスタッフのこと細かな配慮の必要性を学びました。
保険は、痛みを止めたり、噛み合わせを治したりするには必要です。
例えば、自動車で言えば、トヨタのカローラクラスです。よく走りますし、新車であれば機能は十分に発揮します。
ただ、もっと足回りが良く、シ−トもラクラクでゴージャス、そして見た目も格好いいとなると、高級車になってきます。これが、保険外診療にあたります。
世の中で、様々なグレードのニーズがあるように、歯科もそれに呼応していかねばなりません。私達も、新しい技術や器械を常に意識して、向上心をなくさず、患者様の「心からの満足と笑顔」のために、頑張っていかなければと思いました。
お腹の赤ちゃんも超音波3Dで、性別や顔の状態までわかる時代です。(ちょっと、気持ち悪いくらいにハッキリわかります)
歯科も、3Dの機器を駆使して、「より早く・より美しく・より精度よく」を目標に、
常に「One day treatment & care」ができるようにしたいですね。
One day(ある日)、必ず、きっと!!

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