浩子の部屋

最年少と最年長

今日は、「森山純音楽教室・第22回発表会」の日。孫のコウキ君は初参加で最年少者。私は6回目で最年長者。第1部ピアノソロの10番と29番に出演しました。コウキ君は、まだ、自分ひとりで弾くことはできません。森山先生との連弾という形で、先生に指を押さえてもらいながら、「ぶんぶんぶん」を弾きました。
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コウキ君が舞台へ出てくる時、両手を交互に振って行進してきました。小さいのにしっかりと手を振って歩く姿に、聴衆の皆さんの笑いを呼びます。なんともいえず、「可愛い」と「滑稽」が共存しています。でも、しっかり60度に「おじぎ」ができるのに感心します。森山先生に日頃鍛えてもらっている成果だと思いました。ピアノを演奏するのは、まだまだこれからですが、きちんと挨拶をして「舞台に立つ」ことができる・・・これが素晴らしい(ババばか?)と思います。
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人生、小さいうちにいろんな経験をすることで、それが大人になって大きく花開くと思います。大勢の前で、自分ワールドが出せるという強みですね。ピアノを弾き終わった後も、ちゃんと両手を前後に振って、舞台裏に帰って行きました。まだ、恥ずかしいという気持ちが無いようです。「なんかやってることが楽しい」・・・という感覚なのでしょうね。
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1部の子供達全員が出てくる「唄の時間」には、ど真ん中にいて、しっかりと踊りながら歌います。同じ年代の子は、ちょっと恥ずかしがったりする子もいるのですが、コウキ君は、まるで自分家にいるみたいにリラックスしてリズム踊りをします。
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しかも、ちょっと踊り方が独特・・・というか・・・とにかくコミカルなんです。会場の笑いのマト。
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動きがほんとに面白いんです。えっ??だれが教えたかって??・・・いえいえ、もともとの素養のようです。
生まれて持った「芸人」素質???
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みんなに笑われるのを、よけいに面白がっているような気配です。誰に似たのでしょう??この子を生んだ娘も幼い頃はちょっとコミカルでしたから・・・その大元は、私???・・・いえいえ、もともと天然素材のジイジであろうと思っています。大阪で生きていく限り、いつまでも、この芸人素養をなくさないでほしいと願います。なぜなら、周囲に「笑い」と「明るさ」をもたらすからです。皆さんに自然に笑っていただけるほど、素敵な存在はないですものね。
観客の皆さんからの感想は・・・
「お孫ちゃん、カワイかったです〜。とっても面白い子ですね。」
「お孫さん、面白いですね。将来は『よしもと』ですか?(笑)」
「面白いお孫さんですね。ピアノが弾ける芸人になるかも?」
と、必ず、「面白い」という言葉が付いてきました。(ははは)
いよいよ、私の出番が近づいてきました。曲は、ショパンのワルツOp.69-No.1。
「おちついて。ゆっくりね。おちついてね!!」
と、森山先生の手の温もりを両手に受けながら、舞台に向かいます。
「先生、しっかり楽しんで弾いてきます♪」
「そうよ。そうして、楽しんでね。」
不安というより、雲の上を歩いているような、そんな感じで舞台中央に立ちます。もう、心は、「やるしかない」・・・という気持ちで・・・
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最初の出だしは、囁きかけるように・・・「ねぇ〜、踊りましょう、ワルツを〜」
心の中で歌いながら、そんな感じで弾き始めました。わりといつもどおりに演奏しています。楽譜を見ながらですが、日頃弾きこなした楽譜があることで、親友と一緒にいるような安心感があります。「必ず、助けてくれるよね!!」みたいに・・・
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ワルツは順調に進みます。ポルカっぽくなったところで、つまづきながらも、なんとかいけた〜〜。ワルツの終盤では、「もうちょっと、あと少し、あと少し」と思ったその瞬間、楽譜が頭から消えてしまい、
「わぁ〜、あれ〜っ???えらいこと」
でも、すぐに心を取り直して、弾き直ししました。すると、いつもの状態に戻ることができました。もう最後まで、一気に走る感じです。
「フ〜〜っ、やれやれ、終わったぁ〜〜〜!!」
おじぎをして帰ろうとした時、森山先生が笑顔で迎えてくださいました。ニコニコ笑いながら、舞台の裾に入っていくことができました。
「先生、まちがった〜〜〜ぁ!!」
「いいよ、いいよ、あれくらい大丈夫。ショパンの感じが良く出ていたよ。充分よ〜〜!!」
と、言ってくださり、一安心。ほっと胸を撫で下ろして、私のピアノ演奏の一幕は終了です。(ホッ)
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3年前のオーケストラとの共演の時と、かなり練習量も減っていましたが、今回は身体的な衰えを随分感じました。自分自身の記憶力、集中力も変化を始めています。一度に練習しすぎると、手指がしびれてきたり、ペダルを踏む足が引きつったり、もちろん、孫がいっぱいいて、他の疲れもあるのでしょうが、自分で思っている以上に、衰えがきている。それに、練習を積み重ねたとしても、「ふっと頭から消えていく」怖さを、より感じました。脳や肉体の「劣化」との戦いですね。まだ、腰の痛みが無いのが、幸いです。
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でも、今回の記念は、孫の初舞台の時に、一緒に出演できたこと。私の一生の思い出です。そう言えば・・・過去のピアノ発表会も、必ずなんかありましたね。4年半前は、発表会終了直後に長女から電撃的な結婚宣言、3年前は、長女が発表会前夜に初出産。そんな中を乗り越えてここまで来れたことは、家族の支えがあってこそと思います。私の我がままを通してもらっての今日。主人にも言われました。
「どないや、好きなことしてるんやから、愉しかったやろ〜♪」
山登りと一緒で、登るまでは努力精進ですが、終わったら充実感がありますね。ひと山乗り越えたみたいな気持ち。そして、2部・3部のオーケストラとの共演を聴かせていただいた余韻が今も残っています。ひとりひとりの演奏を必死で聴かせてもらい、愉しい愉しいひとときでした。帰ってきてからの今も、まだ頭がさえているというか、興奮しているのか、全く眠気をも催しません。とっても不思議です。疲れているはずなのに・・・
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森山純記念オーケストラの皆さんも、30曲の演奏、本当にお疲れ様でした。指揮をされた西口勝先生は、いつも情熱を傾けられ、オーケストラの皆さんにとっても、ピアノ演奏者とっても、「あったかい、あったかい」取りまとめ役。本当に心和む、とても味わい深い時間を過ごさせていただきました。発表会というより、なんかスケールの大きい「大河ドラマ」を視ているような気持ちになりました。そして、顔見知りの方の演奏をしっかり聴かせていただき、「共に戦った同志」みたいな感情を持つのは、私だけでしょうか?皆さんの努力の成果が、しっかりとみてとれた演奏会でした。大満足!!
またひとつ 乗り越えて今 ここに在る
         我が身の未来 ワルツのように♪

最後に、いつもパワフルに動き回って、孫や私に指導していただいた森山先生と、この演奏会の準備や進行を支えてくださった皆々様に、心より感謝申し上げます。

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