浩子の部屋

伊勢斎宮バスツアー

大学の同窓会である佐保会大阪支部の「親睦バスツアー」に行ってきました。
「今回は、いったい何処へ?」と、家族にもスタッフにも尋ねられたけれども、「三重県の伊勢の近く」としか言えず・・・ほんとに何処に行くのか、分かっていませんでした。同い年の動物学科卒の友人をお誘いして、新大阪で待ち合わせをしました。
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ちょうど、地下鉄新大阪駅のホームで、同じ化学科卒の合唱部の先輩と偶然に遭いました。
「あらっ?今日、行かれるのですか?ここでお会いできて良かったです。」
バスには、友人Oさんと一緒に座りました。先日の総会でお会いして以来です。今日いただいたパンフレットを見ながら、何処に行くのかをふたりで確かめ合いました。伊勢と松阪の間にある「斎宮(さいくう)」という所に行くらしい。歴史に疎い私は、「斎宮」という言葉すら初めてで、全くチンプンカンプンです。私がやっと理解できたところだけをまとめてみました。
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斎宮」とは、西暦670年頃〜1330年頃までの660年間続いた、「いつきのみや」とも呼ばれている、「斎王(さいおう)」=「いつきのひめみこ」の宮殿と、「斎宮寮(さいくうりょう)」という役所のあった所です。「斎王」は、天皇が即位するたびに、未婚の内親王(天皇の娘)や女王の中から、卜定(ぼくじょう)という亀の甲羅を使った占いの儀式によって選ばれ、都から伊勢に派遣されました。
斎宮には桧皮葺や茅葺の掘立柱(ほったてばしら)建物が多く立ち並び、ここでは斎宮寮長官以下の男官や斎王の乳母や命婦をはじめとする女官の他、数百人に及ぶ人々が仕えていました。斎王が伊勢神宮におもむいて神事を司るのは、年に3度、つまり、6月・12月の月並祭、9月の神嘗祭のみでした。国史跡・斎宮跡は、東西2?、南北0.7?、総面積137ha(およそ甲子園球場35個分)という全国屈指の広大なものです。1970年より、現在も、その斎宮跡の発掘調査が続けられています。
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パンフレットを読んでも、初めての言葉が多く、すっと流して読むこともできず、何回も読み返してちょっと分かってきたというくらいです。とにかく、斎王とは、天皇に代わって、国の安康を祈る為に伊勢に送られた、幼き皇女であるということが理解できました。たまたま、今年の11月の慰安旅行で、伊勢神宮に参拝する予定ですので、なにか特別なご縁があるのでしょう。千数百年もの昔の日本国にしばし思いを馳せます。
バスが到着したのは、お昼の休憩所「いつき茶屋」です。
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ここでは、「斎王宝箱」という御所車にのった重箱のご馳走をいただきました。昔の味を再現したといわれ、ちょっと甘めの味付けでした。
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ここから、史跡全体を10分の1のスケールで作られた「歴史ロマン広場」を歩きました。
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「あれっ?近鉄線って表示があるけど・・・」
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「近鉄電車が寄贈でもしたんとちがう・・・?」
「いやいや、近鉄電車の宣伝かもしれん・・・?」
「もうちょっと遠慮して看板立てたらいいのに・・・ちょっと興醒めやねぇ〜。」
と、いろいろと憶測が飛び交います。実は、後になってわかったのですが、これは「現在近鉄電車が通っている所」という案内板でした。(なあ〜〜んだ・・・笑)
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次は、寝殿造をモデルにした「いつきのみや歴史体験館」に行きました。ここでは、貴族の生活体験ということで、斎王群行(ぐんこう)に使われた葱華輦(そうかれん)というカゴに乗ったり、袿(うちぎ)をはおったりできます。
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ほんの少し童心にかえって、はしゃいでみました。
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その後、ボランティアの方の案内で、「斎王の森」に行きました。
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「史跡斎王宮址」の石碑や「黒木の鳥居」という杉の木の鳥居があり、大伯皇女(天武天皇の娘)の歌碑などがあり、斎王の大切なものを納めていた所ではないかといわれています。現在は、神宮司庁の管理地となっています。
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最後に、「斎宮歴史博物館」で、秋の特別展「加茂斎院と伊勢斎宮」を見学。
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加茂斎院とは、西暦810年、伊勢の斎王の他に、2人目の斎王がおかれることになった京都加茂の居所のことです。それから400年余り、2人の斎王が併存する時代が続きます。有名な源氏物語をはじめ、多くの平安文学に影響を与えました。
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ほんとに、いろんな歴史があっての今日であり、伊勢神宮の奥深さがより伝わってきました。伊勢神宮が「永遠の聖地」と呼ばれる所以は、このような数々の人々の清められた御霊によって、守り継がれてきたことにある。天皇は、一番可愛がっていた皇女を伊勢の聖地に置き、身を切られる思いをしてまでも、聖地を守り通してきた。都や国を支配していくためには、大切な家族を犠牲にしなければならない・・・その辛さを乗り越えることで、自分を律し、毅然として君臨する。
歴代天皇の秘めたる心の内を、ほんの少し垣間見た気がしました。
そして、もっと垣間見せる・・・私の小袿姿・・・いかがでしょうか?
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「お葬式用にとっといたら?」
「それって、私の遺影のこと?」
「イエ〜イ!!」
どっちにしても、永久保存版ですよ!!・・・(笑)

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