浩子の部屋

体臭と口臭

第6回ほんだ歯科提携クリニック総会がありました。
体臭・ワキガ専門の「ゴミ先生」の講演が、特に面白かったので、お知らせします。
ゴミはゴミでも、臭いの無い(?)五味先生です。(笑)
医科で、体臭に興味を持っておられる先生は皆無なので、この分野のパイオニアです。
「オンリーワンはナンバーワンになれる!」と、おっしゃっていました。


体臭も口臭も、特例を除いて、病気ではなく、すべて「悩み」である。
ほんとうに臭う人は、自分の鼻の感覚がマヒしているので、全く気にしていない。
ほどほどに臭う人、もしくはごく一般的な人が、気にして治療にやって来られる。
だから、病気の治療ではなく、悩みの治療になる。
優しくて、真面目で、ちょっと神経質で、性格のいい人が、体臭も口臭も悩む。
「普通の人と同じになりたい!!」
という人がやってくる。
気にしない・気にならない人には、全く分からない、理解できない世界ですよね。
「自分の臭いが、人に不快を与える」
たとえば、ニンニクを食べた翌日、息を「ハァ〜ッ」とすると臭うでしょ?
でも、これは誰もが同じだという認識があるから、誰かに「ちょっと臭う」と言われても、
「あ〜ぁ、夕べニンニクいっぱい食べたから、ゴメン。」
と、言い訳できる。
ところが、ニンニクも食べていないし、自分はずっときれいにケアしているつもりなのに、「くさい」とか「何かにおう」という言葉が他人から出てきたり、鼻に手をあてる「しぐさ」を見たら、気にする方は、「自分が臭うんだ。」と思い込んでしまうんですね。
もともと性格のいい人だと、自分は人に迷惑をかけている、自分を消すしかない、自分が居なくなるしかないと、自己否定感に陥ってしまう。
三匹の猿に「見ざる」「言わざる」「聞かざる」はあるが、「嗅がざる」はないでしょ?!
つまり、目・口・耳は押えてフタをすることはできるが、鼻はずっと押えてフタするわけにはいかない。体臭や口臭のようなものは、臭いたくなくても臭ってしまうという性質があります。だから、臭いは「悩み」となって表れてしまうようです。
だれでも、生理的に口臭もあるし、汗には臭いが出てきますよね。
臭っていないのを臭っていると表現する人は、自己臭もしくは自臭症といわれます。
この人たちは、社会に適合できずに、対人恐怖症になっていきます。
そして、「ひきこもり」や「登校拒否」「出社拒否」等が起こります。
つまり、カウンセリングでしか、治療できません。いわゆる心療内科とか、心療歯科の分野です。
五味先生の話では、最近の若者たちは清潔志向であり、いろんな臭いの体験がなくなってきているために、自分の体から発するごく当たり前の生理的な臭い(生活臭は、生きている証拠)なども、自分が臭っていると自覚して、訴えてくるそうです。
これを「新型異臭症」と、五味先生は名付けられました。
もう、これは一種の「社会病」ともいうべきものです。
未開の国で、汗まみれになって走り回っている子供たちは、臭いの悩みなんか一切ありません。自分の臭いを受け入れないということは、人の臭いも受け入れない。つまり、人間関係が希薄になってくるのです。
パソコンにばっかり向き合っていると、ほんとに「人間臭さ」を失ってしまいます。
器械と対話できても、人とは対話できないと、よく世間で笑い話になっているように・・・
なんともおかしな(?)世の中ですが、これが現実です。
「清潔はビョーキ」という本を書かれた藤田紘一郎先生(カイ虫博士)も、未開の国でドブ川のようなところで泳いでいる子供たちに、アトピーはないとおっしゃっています。
最近のテレビでも、北ヨーロッパでは、乳児(生後数か月)を家畜小屋に入れて育て、菌に対する抵抗力をつけ、生きていくための免疫力をつける育児習慣があることを、放送していました。
今の子供は、何でも「殺菌」する環境で育っていることで、汚いものや臭いものを排除してしまい、「何が清潔で、何が不潔か」という本来の見極めが出来ていないのです。
昔、私の長女は、少し肌が弱かったのですが、次女にはアトピー傾向が一切ありません。長女は、消毒殺菌を徹底して育て、次女のときは、忙しいこともあり、放りっぱなしで、ドロをなめていても知らん顔をして育てた結果だと思っています。
初孫も、出産後すぐ、哺乳瓶を消毒殺菌もせずに、いきなり水道水を飲ませたりして、できるだけ自然に育てたいと思い、今日に至っています。
(明日2歳の誕生日を迎えます♪)
「青っ洟」という鼻汁を常に流していても、それが細菌と戦っている証拠。
ワンパクでたくましく育ってほしいと願っております。
五味先生も、ほんだ先生も、「野生」の大切さをお話しされていました。
粗野で、素足で走り回れる、元気な子供を見ていると、ほんとに嬉しくなります♪
いま、「野生では生きていけない日本」・・・ここに問題があると、ほんだ先生が最後におっしゃっていました。
毎日、洗髪をしている、清潔好きの皆さん!!
毎日、泡を立てて長時間、歯磨きをして体を洗っている、キレイ好きの皆さん!!
何でも、「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」です。
生活臭は、あって当たり前。清潔好きが、逆に余計に皮脂の分泌を促進し、臭いを作っているんですよ。何事も、自然な状態に戻しましょうね。
キレイ・キレイは、人キライ・キライになりますよ!!

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