浩子の部屋

バベルの塔??

不況はここまで来ている!!・・・今日はそれを実感しました。
長年の患者様で製造業関係の会社に勤めておられる方が、帰り際に、
「ここは、いつ来てもいっぱいで、いいですね。」
と、おっしゃるので、
「おかげさまで、今週は予約で満杯です。ありがたいことです。」
と、言ったら、
「うちの会社は暇で、仕事があんまり無いんです。僕ら、今期はボーナス0円ですよ。」


「えっ!0円って・・・??ほんとに全く無いんですか?」
「そうです。でも、それよりも会社がなくなったら、給料も無いわけですから。それよりは、『まし』だと・・・」
「ほんとにそんなに大変なんですね。ニュースでは聞いていましたけど、ちょっとよそ事だったので・・・」
こんなに身近にいらっしゃることに、かなりショックを受けました。私共の医院では、例年のごとく忙しく、年末は慌しくせわしないものだと思っていたものですから。
気のせいか、その方は、いつものような元気さがありません。ちょっと肩を落とされて、精神的にもまいっているという感じを受けました。
何か励ましの言葉をかけたいと思うのですが、「ほんとに大変ですね〜」という言葉しか見当たりません。
ご自分でどうすることもできないのですから・・・
会社の存続すら危うい状況にあるのに・・・
生活の基盤が崩れてしまうかもしれないのに・・・
「楽しいことを考えましょう」という方が無理ですね。
自分の言葉かけの力の無さを感じた瞬間でした。
夜、テレビを見ていたら、中東「ドバイ」の現況を報道していました。
ドバイには、たまたま3年前の正月に、家族で旅行に行ったことがあります。
その時は、砂漠のど真ん中に巨大なビル群が建設ラッシュ・・・というのを目の当たりにして、ほんとに驚きました。
夏には50℃という猛暑の土地柄、石油を使って海水を真水に換えて、木々1本1本にホースで散水したりしているのを見て、
こんな贅沢をして、ほんとにいいのか・・・
いくら地震が無いからといっても、わざわざ砂漠に巨大な都市を建設しなくても・・・
と、思っていました。
しかも、ビル建設計画はどんどん進んでいるのに、そのビル群をつなぐ道路や地下鉄建設などが全く追いついていないというチグハグな、異様ともいえる状況でした。
「ここは、いずれは廃墟になるに違いない」と、その時点で思っていました。
テレビの報道では、ドバイはすでにバブルが崩壊しており、ここ2〜3ヶ月で急速に、ビルやマンションの投げ売り状態になっているというのです。
しかも、投機の対象となっただけであり、人はほとんど住まず、空室のまま。
巨大なビル群は、世界中から集めたお金で造られた、マネーゲームのための、「オモチャ箱の世界」。
いずれは、砂漠に埋もれた廃墟になるのでしょうねぇ〜。
旧約聖書の「バベルの塔」ならず「バブルの塔」。
バベルの塔とは、「空想的で実現不可能な計画」を指していう言葉だそうです。
これこそ、地球資源の無駄遣いです。
私の脳裏にひらめく言葉は、「砂の器」。
悲しいサガが隠されている「白い巨塔」ならず「砂の巨塔」ですね。
世界不況は、まだまだ大きく拡がっていく様態です。
皆さんも、巨塔を夢見ずに、自分の足元をしっかり見て、今こそ質素な昔の人々の暮らしを思い浮かべましょう!!

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