浩子の部屋

医者はみちづれ?

本日、2度目の来院のドライマウス(口腔乾燥症)を訴えてこられた80歳代女性。
10日前に初診で来院された時は、精神的にもかなり落ち込んでおられ、表情は暗く、沈痛な面持ちでした。
前回は、院長がその患者様の訴えを聴き、唾液がほとんど出ていないので、「水」をしっかり飲むようにすることと、口に潤いを与えるうがい薬・ビタミンV12を処方しました。
今日は、「ずいぶん楽になりました。」と、表情も明るく嬉しそうでした。


前回に私がお話を聴いて、口腔ケアの方法をお教えするべきでしたが、口臭外来の初診カウンセリング中であったため、携われませんでした。
今回ゆっくりとお話を聴いてみると、
「もう、1年以上も悩んでいましたんや。夜中に、舌が上あごにひっついて取れんようになって、苦し〜いて起きて、舌を剥がして、また寝て苦し〜いなってを一晩に3回ほど繰り返していました。
いつも、舌がピリピリした感じで、ご飯は食べても美味しくないし、こんなんやったら『死んでしもた方がましや』と思ってました。
そしたら、こないだ、孫がここを(インターネットで)捜してくれたんですわァ。
口の乾燥を治してくれるところがあると聞いて、あんまりよう歩かんのやけど、嫁にバスに乗って連れてきてもらいましてん。
おかげさんでなあ、痛いのがずいぶん楽になりましたんや。水はずっと飲むようにしてます。おしっこ行くのは大変やけれど、口が痛いよりずっとましやから。ほんまに良かったわァ。」
と、おっしゃっていました。
それと、口の中が気持ち悪いため、歯磨きを1日に何回もされているということでした。
今日からは、今使っておられる市販の液体歯磨剤の使用を止め、合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)の含まれていない歯磨剤(デンタルペースト)を使用してもらうようにしました。そのあと、舌や口の粘膜全体に、ゼリー状の保湿効果のあるマウスコンディショナーを塗るようにお話しました。
合成せっけんで洗い過ぎておられ、口や舌の粘膜が肌荒れ状態でカサカサになり、そこに唾液が出ていないので、舌乳頭がひび割れやアカギレ状態になって、舌痛症を訴えておられたのです。
神経内科にかかられていたのですが、向精神薬や睡眠薬を処方してもらうだけで、根本的な解決がなされていませんでした。
そして今日は、ご自分の調子が良くなったので、早速友人を一緒に連れて来られました。
そのご友人も同じ症状で、某大学病院に行ったけれどちっとも良くならないし、睡眠薬をもらうだけのようでした。
実際に唾液検査をしてみると、3分間ガムを噛んで唾液を出してもらっても、1ml以下しか出ていませんでした。これでは、常に不快感があり、ほんとに美味しく食事することもできません。ただ、水で食事を流し込んでいる感じだと思います。
医科の方では、ドライマウスに対する療法が確立されているところが少ないようですね。私達は、昨日も本田先生に、ドライマウスへの対処法を再度学んできたところですので、まさに教科書どおりの患者という感じでした。
これからも、口コミで、ドライマウスの患者が芋づる式に来られるかもしれません??
医者はみちづれ、世は情け・・・歯医者も情け・・・カナ?(笑)

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