浩子の部屋

宮城沖地震

新診療所のカーテンを全部決める、ギリギリの段階になりました。その下調べのため、内装業者さんと本町のトーソー株式会社のショールームを見に行く予定で、一緒に本町の美々卯で遅がけの昼食をいただいていました。食べ終わったその時・・・急に胸がつかえて「吐き気」を催してきました。その直後、ぐらっと揺れて・・・
「わぁ〜、地震ですね。」


相当揺れています。しかも、ずいぶん長いです。照明器具が右に左に揺れているのがよくわかります。周囲で食べていた方も、ビックリしておられました。縦波(P波)を感じてから横波(S波)までの初期微動継続時間は、体感的には10数秒でしたので、そんなに遠くない気がしました。ある程度揺れが止まったので、店を出ていこうとした時、
「宮城県沖みたい・・・」
という声が階上から聞こえました。
「えっ?!宮城ですか?ちょっと電話してみます。」
早速に宮城にいる娘に電話してみると・・・すぐに切断になってつながりません。これはかなりのことだと思いました。すぐに診療所に電話してみると、主人が電話口に出ました。
「典子のところに電話したけどかからないから、そちらからかけてみてくれますか?」
坂井おとなこども歯科にかけてもらいましたが、全く通じないようでした。
内装業者さんも心配されて、
「もう、帰りましょうか?」
と、言ってくださったのですが、今更診療所に帰っても何ができる訳でもありません。
「せっかくショールームを見に来たのだから、見てから帰ります。」
と言って、一緒に見て回りました。
その時、また地震が起きました。先ほどよりは弱いですが、結構な揺れです。
「これはかなりえらいことになっていますね。」
「そうですか?でもそう思われるのだったら、とりあえず帰られますか?」
「ええ、でも娘に何かあったら、私に信号が届いているはずです。今は胸騒ぎも何も感じないから、きっと無事でいると思います。」
しばらくして診療所に帰っても、娘とは連絡が全くとれていませんでした。4時半ごろ、私の携帯から娘宛てにまさにメールを送ろうとしていたその時、娘婿から電話がかかってきました。
「あっ、キヨちゃん、大丈夫?よく電話かかったねぇ。」
「お母さん、明日大阪に行けませんから・・・」
「そんなん分かっているけど、みんなは無事なの?ケガはしていない?孫は大丈夫?」
「ええ、ケガはありません。だけど、診療所のパソコンが全部落ちてしまって、アウトです。配管もきっとダメだと思います。なにせ、周りがかなりひどい状態になっているので・・・内科の方のスタッフも家に帰れない人がいるので、今日は診療所に泊まることになると思います。そんな状況ですので・・・」
「わかりました。とにかくみんな元気でよかったわぁ。」
「あの〜、長く話すと携帯の電池がなくなるので、これで切ります。皆さんにヨロシク。」
と言って切れました。
ほんとに「奇跡的に」かかってきた電話です。
向こうからなので、よく通じたと感心しました。親族や私のお知り合いの方からも、安否を尋ねる電話がいっぱいかかってきていましたので、早速に、「無事でいる」という報告をかけまわりました。皆さんも一安心してくださいました。
5時頃には、HP担当の先村さんも、診療所までわざわざ訪ねてきてくださいました。また、6時頃には、江坂から技工所の方が来られて、
「坂井先生にいつも技工を送っていただいているものです。典子先生は大丈夫ですか?」
「まあ、わざわざ来てくださったのですか?」
「はい、ここへ来たら、なにか情報が届いているかと思いまして。」
「おかげさまで皆無事でおります。ご安心ください。いつもお世話になっております。」
「技工をお預かりして送らないといけないのですが・・・」
「ライフラインが全てダメなようですので、診療はできないと思います。もう少し落ち着いてから送ってくださいますように。」
「わかりました。とにかく、ご無事でいてくださるのを聞いて安心しました。」
大勢の方に心配していただいて、ほんとにありがたいことです。皆さんのお心に「守られている」ということが、胸にズシッときます。ただ・・・真っ暗な、寒いところで、乳飲み子を抱え、スタッフを抱え、ほんとに不安で大変な夜を過ごしているだろうな・・・と思うと、祈ることしかありません。なんとか鉄道が通れば、迎えに行ってやることもできますが・・・なんとか水や食べ物を、そして、赤ちゃんの温かいミルクを飲ませてあげることができたら・・・と祈るばかりです。
阪神大震災のことが、昨日のことのように蘇えります。電車が西宮北口まで開通した時、すぐに水とお弁当を持って、当時のスタッフのところや知り合いのところへ行ったこと。芦屋の古い知り合いが避難している所に、線路伝いに歩いてお弁当や薬を届けたこと。鳴尾のお世話になっている不動産屋にも安否を伺いに行ったこと。等々・・・
テレビを見ていると被害の甚大さがよけいに分かります。多くの犠牲者の方が出ていることも予測できます。これ以上被害が大きくならずに復旧することを、皆が力を合わせて「心を込めて願う」ことが大切かと・・・
どうぞ、これ以上の試練は、もう与えたもうな!!
時間よ、止まれ!!地震よ、止まれ!!

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