今から約40年前、マンションの1階にてスタートした江上歯科は、時代の流れと共に成長し、現在はケア専用ブースを設けた3階建ての院で、“予防歯科”に力を注いでいます。
テレビCMなどで見かける機会が増え、広く認知されるようになった予防歯科ですが、重点をおいて取り組む歯科医院はまだそう多くなく、予防のために歯医者さんへ通う価値を認識されている方も、それほど多くはないでしょう。
しかし今の時代、果たして歯が痛くなったら歯医者さんに行き、削ったり抜いたりを繰り返す対処療法だけを、歯科医療と呼んで良いものでしょうか。
この街で多くの患者さんのお口の健康を守り続けてきた、当院長の江上一郎先生と、副院長の理絵先生に、院で注力している予防歯科について、そして開業当初から変わることのない理念、今後の展望などについてもお話ししていただきました。
大人の予防歯科について、お話を聞かせてください。
モットーは「歯は健康の入り口」
風邪等とは異なり、虫歯や歯周病は放っておいても絶対に自然治癒しません。ですので「歯が痛くなったら歯医者さんへ」これは大前提です。しかし、虫歯を削ったり抜いたりする従来の対処療法だけでは、大半の方が生涯自分の歯で過ごすことはできず、入れ歯やインプラント等で身体的にも経済的にも不自由な生活を送っているのが実状です。
「まずは虫歯や歯周病にならないこと」これに重点をおいたのが“予防歯科”なのです。
予防歯科の重要性は、近年テレビCMなどでも紹介され、広く知られるようになりました。歯石除去や歯のクリーニング、そしてホワイトニングにも、かなりの関心の高さを感じています。
当院でも「歯は健康の入り口」をモットーに予防歯科に重点をおき、皆さんのお口の健康管理・維持に努めています。
具体的には、歯科検診のご案内を送付し、数ヶ月〜半年ごとに歯や歯茎のチェック、歯石除去、PMTC（歯のクリーニング）、歯磨き指導などを、患者さんのご希望に応じて、ベテランの歯科衛生士たちが行っています。歯周病の方にはつまようじ法ブラッシングを実施し、歯と歯茎の健康を保つよう指導させていただいています。
予防歯科に加え、“美しく噛める歯””が治療方針の審美歯科においては、ホワイトニングや歯茎を健康的なピンク色に戻すガムピーリングなどもご用意しています。
なお、お忙しい方にでも気軽にお越しいただけるよう、ご希望の時間内で効率の良いケアを心がけています。
子供の予防歯科について、お話を聞かせてください。
「お子さんの歯を守るために、どうしたらいいのか？」を知っていただくために
当院では、年に3回、乳幼児対象の親子教室を無料で開催しています。歯の生え始めの頃から、ご両親に「お子さんの歯を守るために、どうしたらいいのか？」を知っておいていただきたいからです。
何気なくやっている食生活や生活習慣、また舌習慣は、お子さんの虫歯や歯並びにかなりの影響を及ぼします。「噛む」という行為は、食物を噛み砕くだけでなく、脳への刺激、さらには脳の発育にも関係しています。しっかり噛み砕く力は「生きる力＝生命力」を維持する底力となるのです。
親子教室以外でも、当院は中津小学校の校医を20年以上勤めさせていただいており、近隣の保育園での園児の定期検診も行っています。
小児歯科においては、歯を強くするフッ素塗布も随時行っていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
お子さんの虫歯を予防するにあたり、お子さんの歯並びについても不安に感じていらっしゃるお母さん・お父さんは多くいらっしゃいます。
子どもの歯並び治療について、お話を聞かせてください。
お子さんへの身体的負担、ご家族への経済的負担も減らして
当院では、6歳からできる小児矯正「ネオキャップ＆ビムラー矯正」を導入しています。
私自身も3人の子を持ち、現代の柔らかい食べ物で育った我が子の歯並びに、幼少期からどう対処したらよいか考えました。昔は、永久歯が生え替わってからの歯科矯正でしたが、今は、永久歯の生え始める時点で口腔内を広げ、舌の習慣を訓練して整え、舌位（舌の収まる位置）を確保することで、歯が自然に並んでいくようにする矯正が可能です。できるだけ歯を抜かず、顎も広げていくので、お子さんへの身体的負担も、ご家族への経済的負担も少ない、画期的な矯正と言えると思います。
ここまで予防歯科について具体的なお話を聞いてきましたが、院や先生お二方についてのお話も少しお聞かせいただければと思います。
江上歯科は2011年春に、当初の診療所から現在の3階建てのビルへ新築移転しました。移転を決断されたのは何故ですか。
美容室感覚でケアを受けていただける歯医者へ
前途のとおり、時代の流れとともに、歯科治療を終えた方のメンテナンスなど、今後虫歯を作らないための“予防歯科”が重要となってきました。そのため、キュア（治療）とケア（お手入れ）のブースを分け、美容室感覚でケアを受けていただきやすいよう診療体制を整えたいと思い、院を大きくする決断をしました。
チェアーは1階診療ブースに5台、2階ケアブースに5台。さらに立体画像のCT撮影用レントゲンを設置したことで、より多くの口腔内情報によって、治療も予後もスムーズに管理できるようになりました。また、2階のケア専用ブースには、個室やパウダールームを完備。歯医者特有のキーンという音も聞こえてこず、気軽な気持ちでお越しいただき、ゆったりとケアを受けていただけるようになりました。
時代の流れに沿いながら、ソフト面もハード面も成長してきた江上歯科ですが、開業から現在までの道のりには苦労もありましたか。
診療所裏で授乳しながら
当院は昭和53年5月8日に開業しましたが、おかげさまで初年度から既に40名程の患者さんにお越しいただいていました。ですが、当時の院はチェアー3台に、待合室も数名が座れる程度の規模。そのため、妻と歯科助手1名との3名、そしてアルバイトの方にも助けてもらいながら、必死で日々の診療をこなしていたのを覚えています。ちょうど第一子（長女）が生まれたばかりだったので、妻はそれこそ診療所裏で授乳しながら、助手や受付をこなしていました。
2年後には第二子（理絵先生）が生まれ、さらに慌ただしい毎日を過ごしていましたが、一人ひとりの患者さんと向き合い、笑顔で丁寧な治療をすることは忘れず心がけてきました。
そして、10年後、院内をリニューアルし、チェアー5台、スタッフ5〜6名の院へと成長することができました。
ご両親の姿を間近で見ながら成長された理絵先生ですが、自身も歯科医師になろうと決意されたのはいつの頃ですか。
将来は必ず父と一緒に
父の仕事をずっと近くで見ながら育ってきた私は、幼い頃から細かい作業が好きだったこともあり、「大きくなったら、歯医者さんになるんだ」と、保育園児の頃から思っていました。やがて姉も歯科大学に入学したことから、自分も絶対に歯科大学に行くと決意し、進学しました。
他の職業に就くことなど、全く考えたこともありません。歯科の仕事が本当に好きだったので、将来は父と一緒に診療するのだと、初めから心に決めていました。
患者さんと真摯に向き合い続けてきた院長と、幼い頃から父と働く決心をしていた理絵先生。
そんな先生方の歯科治療における理念を教えてください。
患者さんの主訴を速やかに解決すること、そして親しみやすい街の歯医者さんであること
「主訴の速やかなる解決」を第一としています。
当院は予防歯科に重点を置いていると申し上げましたが、痛い・しみる・噛めない・腫れた等の主症状を、まずは取り除いてあげること。それが歯科の根本的治療であるという思いは、開業当初から変わりません。
また「歯を抜きたくない。できるだけ残したい。」という患者さんの要望にも、できうる限りの技術で添うようにしたいと思っています。
病巣があり、外科的手術等が必要な場合には、CT画像で事前説明し、納得していただい上で手術しています。
治療は可能な限り保険診療内でさせていただきますし、セカンドオピニオンも、いつでも受け付けていますので安心してお越しください。
「アットホームで、親しみやすい歯医者さん」です。
大阪の食文化と同じように、「早い・上手い・行きやすい」、さらに「安心・安全・安定」を目指しています。
健康な歯を持っている方は、それを維持してあげるのはもちろんのこと、歯の悪い方は、院長と同じく、素早く治して1日でも早く噛めるようにしてあげたい。歯科恐怖症の方でも安心して治療を受けられるように、また、歯に自信をなくしている方でも、何らか方法はあるので、諦めないで来院していただきたいと願います。
それでは最後に、江上歯科の今後の展望と患者さんへのメッセージをお願いします。
健口から健康へ
40数年大きな病気もせずに診療を続けてこられ、たくさんの患者さんに信頼していただき、喜んでいただけて、歯科医として本当に幸せな人生を送ってくることができました。次世代の理絵先生に、理念も含め託せたことで、今現在は診療できる有り難さそのものを純粋に感じています。
今後もこの大好きな中津の街で、地域の方々のお口の健康を守るべく邁進していきたいと思います。
最近は、口腔がんが話題となったことで、口内炎や口唇ヘルペス等も気にされる方が増え、多くの患者さんに歯科検診の重要性を感じていただいています。
「健康はまず健口から」です。お口の美容室と考え、まずは気軽に検診にいらしてください。
父の影響で、歯科医という素晴らしい仕事に就くことができ、いい環境で育ててもらったと感じています。同世代のママさん目線で、子育て中のご両親の大変さも理解でき、お互いに頑張っていることに共感できます。また、お子さん達に会うたびに、成長している姿を拝見できるのがとても楽しみな毎日です。
一般治療から予防歯科や小児矯正まで、健口から常なる健康へ導けるようにサポートをしながら、これからも患者さんとともに歩んでいきたいと思います。元気いっぱいの笑顔で皆さまをお待ちしています。
